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放棄耕作地の現状と対策(+未来予想)
最初の投稿記事でも書いた通り、ぎんろーが就農するきっかけとなった要因の1つに
祖父が亡くなった事があります。農家の平均年齢が高くなるに伴い、こういった事例は地方を中心に今後も増えていくと予想されます。
まずこちらのグラフで農家数の数字から確認すると、
1960年に1454万人いた農家さんは2015年には約200万人、2026年には56万人にまで減少する予測です。
1454万人が僅か56万人に、なんと驚きの96%減!
https://agriculture.rakuten.co.jp/challenge/ 一部抜粋
次に耕作放棄地が実際どの程度あるのか、調べてみた。
https://agriculture.rakuten.co.jp/challenge/ 一部抜粋
農林水産省のデータに基づいて作成された当グラフによると2015年時点で40万haを超え、
同様のペースで増加すると仮定すると、2026年には46万haに達するという。
これは東京ドーム98,000個分
デカ過ぎていまいちピンと来ない方、他の例をご用意致しました。
まず、琵琶湖面積に換算すると・・約7個分。
分かったような分からないような・・
もちろん他の分かりやすい例をご用意。
琵琶湖と言えば滋賀県。滋賀県と言えば琵琶湖。
滋賀県の中央に鎮座する琵琶湖ですが、滋賀県の総面積に占める琵琶湖の面積は約1/6です。
・・・という事は耕作放棄地は滋賀県より広い!という事。
実際詳しく調べてみると、
耕作放棄地(2026年):約46万ha
滋賀県面積 :約40万ha
(参考)京都府 :約46万ha
つまりあと10年もしないうちに京都クラスの耕作放棄地ができてしまうと言うわけです。
京都は全国47都道府県の広さランキング第31位です。
というか既に県一個分を超える面積が放棄地になっている事に驚きです。
とまぁこのような現状に置かれている耕作放棄地。
ぎんろーにとっても全く他人事ではないので、その対策を3つ考えました。
①自身で耕作する(今特にお薦めな作物とは!?)
真っ先に思いつくのは、何か栽培すればいいじゃん、という事。
だが人の問題・設備の問題、様々な問題でそれが困難である為、放棄地が増えてしまっている現状がある。
農水省のサイトでは法人、NPO、農協様々な団体もしくは個人レベルで様々な取り組みが紹介されているが、実際の所はどうなんでしょう。
当然、うまくいっているシーンだけが紹介される訳で、だいたいそれは人も、費用も、設備も、時間も掛けられるケースが目立つ。
じゃあ弱小農家でも取り組めることはないんでしょうか??
個人的に注目しているのが、ズバリ「薬草栽培」。
近年、高齢化や健康志向に伴って漢方薬の消費が増え、ニーズが高まっている。
以下漢方薬の国内市場規模の推移である。
医療現場でいま、漢方が見直されている。長年の経験を基に処方されていた漢方に、科学の光を当てることで、新たな薬効が見つかっているのだ。抑肝散もその一つだ。
「認知症の治療では、今や抑肝散はなくてはならない薬となっている。」。
そう話すのは筑波大の水上勝義准教授(精神医学)。認知症を発症すると、8割以上の人にBPSD(幻覚、妄想、興奮、攻撃行動など)と呼ばれる症状が出現する。その治療に最近、抑肝散が広く使われるようになっている。抑肝散は、日本で江戸時代から子供の夜泣き薬などとして使われてきた。それがここ数年の研究で、興奮を引き起こす脳内物質を制御する効果があることが判明。BPSDへの有効性を証明する研究も相次いだ。
製造販売するツムラによると、平成16年度には1億4500万円程度だった抑肝散の売り上げは、21年度には20倍の約31億円にまで急増。同社の主力商品の一つへと“大化け”した。漢方薬は薬草などの「生薬」を複数組み合わせて作られる。そのため、さまざまな薬効成分が含まれている。特定の成分だけを抽出して化学合成する西洋薬にはない特徴だ。
https://blogs.yahoo.co.jp/shigeto1953/38029809.html 一部抜粋
さらに薬草栽培を推進している自治体もある。
静岡県の藤枝市では漢方薬の大手、ツムラと協力し「ミシマサイコ」や「トウキ」といった薬草栽培普及に取り組んでいる。
ぱっと箇条書きにする程度で以下のメリットがある。
- 機械化やマルチ栽培による労働時間の短縮
- 新たな除草剤による除草作業の軽減化(平成25年から)
- 鳥獣害の被害を受けにくい
- 契約栽培のため安定収入が得られる
このうち個人的に特に大きいと感じる事が、4の契約栽培である点。
手間暇かけてこだわり抜いて作って育てた作物が売れない、適正に評価されない事が最も悲しい事だろう。
農家にとって大きな課題の一つである販路開拓をクリアした点はかなり大きいと思う。
②貸す(農業以外含め)
これもまぁ普通に思いつく事ではあるが・・
自分で出来なければ貸してしまうという事です。
単に貸すといっても、住宅・事業(店舗、事務所)・駐車場など幾つか選択肢もありますが、
田舎の場合、そのまま農地として貸すのが現実的でしょうか。他に転用できる、借り手がいるならとっくにやってるでしょう。
「農地バンク」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
アベノミクスは金融政策や財政政策ばかりに目が行きますが、「3本の矢」最後の成長政策の1つに、農業改革がある。
農地バンクとは、貸したい・売りたい農地を集め、借りたい・買いたい農業経営者に提供していく仕組みで、都道府県別に設置された農地中間管理機構が担っている。
先の記事で、個人農家を減らし農業法人に農地を集約して生産効率を上げたい意向がわかる。
農地バンクという仕組みの是非に関しては別の機会に譲るとして、実際に利用すると仮定した場合どのような流れになるのか。
農地中間管理機構の実際の業務は市町村に委託されているとの事で、農地の所有者が農地バンクを利用したいときは各自治体の農政担当部署に連絡をする事で申請ができる。
また、地域によっては農業委員会やJAが窓口になっている可能性もある。
さらに今やネットで農地の状況が分かる時代になった。
全国の農地ナビというサイトをご存知だろうか。
全国農地ナビは、市町村および農業委員会が整備している農地台帳および農地に関する地図について、運営・管理団体である全国農業会議所が、農業委員会等と公表事務にかかる委託契約を結んだ上で農地法に基づき農地情報をインターネット上で公表するサイトです。
https://www.alis-ac.jp/ 一部抜粋
単に農地を検索表示するだけであれば、なるほどといった程度だが、このサイトの凄いところは
各農地に関して「所有者の農地に関する意向」まで検索条件に含める事ができる点。
近所で農地を貸したがっている人がいるかな?といった場合、検索すると情報が出てくる訳だ。
実際、ぎんろーも静岡県で検索してみたら、幾つか該当する農地が確認できた。
ただ、どうしても条件の良い農地(広い、平ら・・etc)であれば、農業法人も借りやすいが
条件が悪い農地は借り手がつくのは難しいのではないかと思う部分もある。
良くも悪くも「借り手主体」のシステムになってしまう点は致し方ないところなのかもしれない。
③太陽光発電(ソーラーシェアリング)
実は休耕地の一部を利用し、昨年から太陽光発電を始めています。
こんな感じ。
火力や天然ガス発電等の化石燃料と比べ、温室効果ガスが発生しないメリットもあり、
自然の恵みを享受する農家にとっては特に、持続可能な循環型社会を目指す上でクリーンエネルギーは必要だと考えている。
ただ、設置費用の問題や土地の規制もあり万事解決とはいかない。
また最近特に注目されているのが作物栽培とソーラー発電を両立する「ソーラーシェアリング」というもの。
農家、あるいは太陽光に興味がある方は耳にした事があるのではないでしょうか。
ソーラーシェアリングの詳細に関してはまた別途記事にします。
まとめ
耕作放棄地の対策案を記述してきた。
もちろん土地の利用というものは法律(特に農地は色々制約がある)を前提にそれぞれの地域や土地の条件(広さ、形)などによってベストな活用法は異なるはず。
また今回紹介した3つの案意外にも様々な具体案はあると思うので引き続き情報収集を行いたい。
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