伝統食品である干し芋はヘルシーな健康食品というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
今回は具体的数値を基に、どうして干し芋が体に良い食品であるか解説していきたいと思います。
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干し芋の栄養成分・効果と特徴(カリウムと食物繊維が豊富)
干し芋の三大栄養素とカロリー
干し芋の三大栄養素とカロリーをまとめると以下の表の様になっています。
エネルギー |
303 kcal
|
炭水化物 |
71.9 g
|
たんぱく質 | 3.1 g |
脂質 | 0.6 g |
※100g当たり
世界にはじゃがいもなど芋類を主食としている国や地域が数多くありますが、干し芋の原料であるさつま芋も炭水化物ですので、炭水化物が71.9gと多くなっており、炭水化物から食物繊維を差し引いた糖質は66gとなっています。
71.9 g (炭水化物) - 5.9 g (食物繊維) = 66 g (糖質)
少量でも比較的カロリーが高く、腹持ちが良い干し芋は戦時中の保存食としても大活躍しています。
ちなみにご飯茶碗一杯(約180g)の糖質が約66gと言われていますので、純粋に糖質量だけで言うと糖質制限中の方にとっては気になる部分だと思いますし、ダイエットを考えている方は夜・寝る前は避ける事をおススメします。
一見糖質が多く、ダイエットには不向きにも思える干し芋ですが、実は同時に血糖値が上がりにくい低GI食品である特徴を併せ持っています。(この部分の性質に関しては次の章で詳細解説します。)
干し芋のビタミン・ミネラル・食物繊維
続いて干し芋に含まれるビタミン・ミネラル類の成分を『一食あたりの目安』と比較して確認してみましょう。
一部抜粋:カロリーSlism
特筆すべき栄養成分について赤枠で囲っています。特に注目すべきはと「カリウム」「カルシウム」「リン」「マグネシウム」「銅」のミネラル類が群を抜いて多く含まれている点です。
カリウム |
塩分の排出促進・血圧を下げる・むくみ解消・便秘改善・ストレス改善・ダイエット効果
|
カルシウム |
骨や歯の主要な構成成分・神経興奮の抑制
|
リン | カルシウムやマグネシウムと結合し、骨や歯を形成・骨や歯を丈夫にする |
マグネシウム | カルシウムの吸収を助ける・カルシウムやリンとともに骨を構成する成分・酵素の働きを助ける |
食物繊維 | 整腸効果(便秘予防)・血糖値上昇の抑制・生活習慣病予防(糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化) |
銅 | 貧血予防・殺菌・消毒作用 |
「食物繊維」も豊富に含まれており、カリウムを始めとする各ミネラル類と共に便秘気味の方やダイエッターの方には嬉しい食品と言えます。
ちなみにこちらの写真は干し芋の製造過程でさつま芋をカットしている場面ですが、線に細かい食物繊維がびっしりと付着している様子が伺えます。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、特に水溶性食物繊維は粘着性により胃腸内をゆっくり移動する為、お腹がすきにくい(=腹持ちが良い)と言われています。
干し芋(100g)に含まれる食物繊維5.9gのうち、水溶性食物繊維は2.4g含まれており、これは他の食品と比べてもかなり高い割合となっています。
またその他の注目成分として、ビタミンB1は糖質の代謝を助ける働き、ビタミンB2は脂肪の代謝を促してエネルギーに変換する働きがあり、筋トレやメタボ解消などにも効果が期待できます。
干し芋・焼き芋・蒸かし芋と栄養成分比較
続いて、同じさつま芋を原料とする「焼き芋」や「蒸かし芋」と比較してみましょう。
一部抜粋:茨城を食べよう
基本的にさつま芋から水分を飛ばして作るものが干し芋なので、干し芋は他の加工方法と比較しても栄養素が凝縮されており、同じ100g当たりの各成分は全体的に増加しています。
また「焼き芋」や「蒸かし芋」の比較ですが、「蒸かし芋」は「焼き芋」と比較してカロリーが20%ほど抑えられています。最近では焼き芋を乾燥させた、「焼き芋の干し芋」も登場していますが、一般的に蒸して作る干し芋と比較してカロリーが高くなる傾向にあります。
元々さつま芋はビタミン・ミネラル類を豊富に含んでいますが、干し芋にの加工法に着目した場合、やはり特筆すべき栄養素はカリウムと食物繊維であると言えます。
総じて干し芋は、蒸かす・焼くなどの加工法に比べてカロリーを抑えつつ、カリウムや食物繊維などの必要な栄養素を残しており、さつま芋の栄養素が凝縮された優れた食品であると言えるでしょう。
干し芋はダイエットにおススメな低GI食品
ここまで干し芋の成分をご紹介してきましたが、ダイエットや筋トレをしている方々にとって注目されている干し芋の特徴「低GI食品」に関してご説明します。
冒頭でご紹介した通り、干し芋の糖質量はご飯一杯分とそれほど変わらないレベルですが、同時に低GI食品であるという性質を併せ持っています。
・GIとは、トロント大学のデビットジェンキンス博士らが1981年に発表した概念で、炭水化物を含む食品を食べたときの、血糖値の上がりやすさを表した指標。
・50gのブドウ糖を摂ったときを基準値100とし、糖質量として同量の他の食品を摂り、基準との比較で算出。
・GIによって食品摂取後に、急激に血糖値が上昇するのか、緩やかに上昇するのかの目安になる。
一部抜粋:ケンミン食品
GI値の高い食品を食べると急激に血糖値が上昇し、それを下げようとインスリンが分泌されます。インスリンは脂肪を作り、脂肪の分解を抑制する効果があるので、インスリンが多く分泌されると肥満の原因になると言われています。
つまりGI値が低ければ低いほど血糖値を上げにくいと言えます。血糖値が上がらなければ、太る原因となるインスリンが分泌されない為、糖質が高めでも低GI食品の干し芋は太りにくい食品であると言われています。
一般的にGI値が55以下の食品を低GI食品と呼び、低GI食品はメタボリックシンドロームの予防に有効な食材と言われています。
こちらの表はGI値のポジショニングマップで、各食品をGI値毎にマッピングした図です。
一部抜粋:まねき猫の部屋ーブログ
干し芋のGI値は『55』となっており、同じく主食となる炭水化物の中では玄米や五穀米、蕎麦などに近いGI値となっています。
玄米もダイエット中の方に好まれる食品として人気ですが、干し芋もそれらと同様に太りにくい食品と言えるでしょう。
干し芋は食品添加物・保存料不使用!
最後に一点、栄養成分とは意味合いが異なりますが食品に含まれるものとして、干し芋のメリットを1つ挙げさせて下さい。
我々が頂く食品の中には、純粋に食べ物由来の成分や、食品を美味しくするためのもの以外に含まれている物があります。
それは「食品添加物」です。
食べ物の見栄えを良くする、長持ちさせて賞味期限を延ばすなど、製造者都合で添加される物も多く、それは必ずしも人の健康にとって良いものばかりではありません。
食品添加物の影響については当記事で触れませんが、例えば今家の冷蔵庫に入っていた中華めんの原材料にはこの通り数多くの添加物が含まれています。
一方干し芋の原材料名欄を見ると「さつま芋」。
以上です。
今まで数多くの生産者さん・メーカーさんが作る干し芋を購入してきましたが、余分な添加物が加えられているシーンはほぼ見たことがありません。(一部外国産で塩が加えられている商品もあるようですが。)
干し芋はさつま芋本来の味、それだけで美味しさを実現しています。
これは食品の安全性と言った意味で大きなアドバンテージがあり、干し芋は自然由来のヘルシー食品であると言われる所以であり、大きな魅力の1つだと感じています。
まとめ
幾つかの根拠を基に、干し芋は健康的なダイエットを目指す方にとって嬉しい栄養成分がたっぷり入っているヘルシー食品である点がお分かり頂けたと思います。
冒頭でご紹介した通り、干し芋自体のカロリーは高いので食べるタイミングや分量を守って摂取する事も大切ですが、食べ方次第でダイエットにも活用できます。
また後半でご紹介した通り余計な添加物が入っていない安心の食品であり、また豊富な栄養素と適度な歯ごたえもある為、赤ちゃんの離乳食にもおススメです!
赤ちゃんからお年寄りまで万人におススメできる食品で、且つ体に嬉しい栄養成分が豊富に含まれている干し芋をぜひお試しください。
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コメント
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[…] 干し芋農家のぎんろーさんのブログに、干し芋の栄養成分が詳しく紹介されています! […]