日本一のお茶処・お茶の産地である静岡県ですが、他に全国各地に有名なお茶の産地があり、独自のお茶づくり・ブランド化が進められています。
そんな疑問にお答えすべく、静岡の元お茶農家のぎんろーが全国各地のお茶屋さん・お茶カフェを巡り、その特徴や違いをご紹介します。
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こちらのコーナーでは玉露の三大産地の一つで、玉露生産量全国一位としても有名な福岡県「八女茶」にフォーカスしてご紹介します。
気になったお店があれば是非、各店舗の詳細記事と併せてご覧ください!
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静岡の元お茶農家が選ぶ『福岡 八女茶カフェ』 4選+α
No.1 うめのま(渡辺通)
「渡辺通駅」から徒歩5分ほどの位置にあり、地元福岡県八女市の「八女抹茶」を中心に、お茶や抹茶とそれに合った和菓子や甘味など充実したメニューを提供する「うめのま」さん。
夏にはかき氷などの季節限定メニューもラインナップに加わり、例えば「八女金時かき氷」など、濃厚な八女抹茶を使用した抹茶スイーツなどが頂けます。
また、近隣にある姉妹店「梅山鉄平食堂」さんが監修する食事メニューも提供していて、玄界灘でとれる新鮮な魚を軸としたメニューの他に、人気の「牛スジ大根定食」など、ランチとしてもオススメなお店です。
No.2 すみの八女茶 茶亭SUMI(花畑)
1880年(明治13年)初代・角藤衛門が八女郡立花町で製茶業を始めた事に端を発する歴史あるお茶屋さん「すみの八女茶」さんの本店と隣接するカフェ「茶亭SUMI」さん。
八女市にある「八女工場」で作られた高品質の八女抹茶を使用しており、北海道の大納言を使用した手作りのあずきをはじめ、寒天、抹茶だんご、などこだわりの素材を使用した豊富なメニューを提供されています。
また「八女伝統本玉露」に代表されるように、お茶産地の歴史や伝統を守っていく姿勢に共感が持てました。
街中の喧騒から離れたロケーションにあり、四季の移り変わりを感じることのできる風情のある中庭を眺めながらゆっくりと地元の八女茶を頂ける落ち着いたカフェです。
No.3 鈴懸本店(中洲川端)
和菓子を作り続けて90余年、福岡の人気老舗和菓子屋さん「鈴懸」さんの本店、「鈴懸本店」さんにはここ本店のみ「茶舗(カフェ)」が隣接しています。
和菓子の名店として知られる鈴懸さんはもちろん素材にこだわっていて、例えば抹茶パフェは「八女星野村の抹茶」をふんだんに使用したアイスや寒天が提供されています。
食事メニューも提供されていて、「宮崎産きなこ豚」が使われたハンバーグなど名店らしいこだわりと品質です。
シンプルな和菓子だからこそ、誤魔化しが効かない。だからこそ素材にこだわり、製法にこだわっているのだと実感し、それはランチメニューにも通じていると思いました。
No.4 田頭茶舗 イムズ店(天神)
「田頭茶舗」さんは広島県呉市に本店があるお茶屋さんで、2010年に「田頭茶舗 広島金座街店」をオープンして以降、今や全国で10以上のお店を展開されています。
西日本のお茶屋さんという事もあり、店舗展開は広島~福岡が中心で、使用しているお茶も西日本の産地「京都・福岡」が多い印象です。
チェーン店という事もあり、提供されるメニューも数多くラインナップされていて、煎茶や抹茶などの定番はもちろん、ラテやパフェ、抹茶フォンデュなど充実しています。
定番・スタンダードなお茶カフェで、より多くの方に受け入れられる安心・安定のお店です。
実際に訪問して分かった静岡茶と八女茶の違い
実際に複数の福岡のお茶カフェを訪問させて頂いて気付いた静岡茶との違いは主に以下3点です。
- 静岡茶は深蒸し茶が主流・玉露の生産が盛んな八女茶は渋みが少ない甘くコクがある
- 伝統本玉露の生産量が日本一で高級茶の産地として有名(八女伝統本玉露)
- 福岡市周辺にお茶カフェが多いが、産地である八女市にもお茶カフェがある
静岡茶は深蒸し茶が主流・玉露の生産が盛んな八女茶は渋みが少ない甘くコクがある
先ず純粋にお茶の味や水色の違いについてですが、静岡県西部を中心として茶葉の蒸し時間が長い深蒸し茶が主流ですが、「玉露の三大産地」に数えられる八女茶は玉露の生産比率が高く、結果的に苦味が抑えられたコクと甘みがあるお茶が中心となります。
日光を覆い遮光率を調整する事でテアニンなどのアミノ酸量を維持し、カテキンへの変化を抑制する事でとろりとしたコクと甘みのあるお茶を実現し、覆い香と呼ばれる独特の香りも魅力の1つとなっています。
筑紫平野南部(八女地方)は霧(朝霧や川霧)の発生しやすい土地柄でもあり、茶畑があるなだらかな山の斜面を霧が覆い、太陽光を適度に遮ることで、茶の旨み成分であるアミノ酸類(テアニン、グルタミン酸、アルギニンなど)の生成を促進します。
この点は「玉露の三大産地」のうち、瀬戸谷川などが流れる静岡の藤枝市朝比奈地区にも共通する部分と言えるでしょう。
また生産に手間が掛かっており、高級玉露としても有名な為、茶葉の単価も静岡茶と比較して高単価・高額になる印象です。
伝統本玉露の生産量が日本一で高級茶の産地として有名(八女伝統本玉露)
昔ながらの稲わらをつかった被覆を行い、旨み成分をさらに高めた「伝統本玉露」の生産が日本一で、八女の玉露は全国茶品評会にて10年以上農林水産大臣賞を受賞し、高級茶のブランドを築きあげました。
京都宇治をはじめ、玉露で有名な産地は各地にあり、直射日光を遮った畑、いわゆる「覆下茶園」での栽培が行われていますが、今は寒冷紗(かんれいしゃ)などの化学繊維の幕を使用しています。
ところが八女市の一部では「八女伝統本玉露」などのように、未だに「稲わら」を使用した伝統的な農法で玉露が作られています。
茶葉収穫前に稲わら等の天然素材で被覆することにより「覆い香」といわれる香気成分の含有量が高い茶葉が生産される。味は濃厚で非常にうま味が強く、「まろやか」で「こく」がある。
手摘み作業といった生産方法を110年以上守り受け継いでいる。
奥八女地区[福岡県八女市]は、ROYAL BLUE TEA(水出し高級茶飲料)「HIRO premium」(伝統本玉露)の原材料の産地です。11年連続品評会で日本一という玉露の名産地です。 pic.twitter.com/LOHFxELJ
— keiko yoshimoto (@Keke1216Keiko) July 20, 2012
生産性や価格が重視される現代社会ではより効率の良い方法に取って代わってしまう事が多いですが、その変化の過程で失われてしまう物も多い気がします。
「八女伝統本玉露」は敢えて天然素材の稲わらを使用する事で伝統的な生産方法を守っているという点は非常に素晴らしい事だと思います。
福岡市周辺にお茶カフェが多いが、産地である八女市にもお茶カフェがある
今回、福岡市にあるお茶カフェを数店舗周らせて頂きましたが、博多駅~福岡空港の距離が近く、地下鉄も通っている福岡市内は非常に利便性が高いと感じました。
大都市である福岡にある程度お店が集中しがちにはなりますが、産地である八女市にも複数のお茶屋さん・お茶カフェがあるようです。
八女茶カフェ『ぶんぶく』
すすり茶
玉露の究極の飲み方、滴を飲み茶葉を食す。らしいです pic.twitter.com/8XsKhZxpFJ— TAKO (@OOOGUU3OOO) March 20, 2018
九州自動車道や九州新幹線を使えば産地である「八女市」へのアクセスも容易なので、次回はぜひ八女市にあるお茶カフェも巡ってみたいと思いました。
まとめ
今回は福岡県にあるオススメのお茶カフェをご紹介すると共に、静岡茶と八女茶の違いについて触れてみました。
気になったお店があれば各店舗の詳細記事と併せて是非ご覧ください!
お茶好きの方はもちろんですが、「福岡(八女)のお茶カフェは行ったことが無い」という「隠れお茶カフェファン」の方々にも足を運んでみて頂きたいお店ばかりです。
と感動するに違いありません!
お店ごとに異なる様々なこだわりや特徴があって非常に面白いと思いますので、是非あなたの目と舌でご確認下さい。
非常に個性的で魅力溢れるお店ばかりで、八女茶カフェの魅力が凝縮されています。
福岡へいらっしゃった際は、是非こちらの記事を参考にして八女茶のお茶カフェを楽しんで下さい!
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