皆さんは「干し芋」を食べた事はありますか?
冬の時期になるとスーパーやコンビニなどで皆さんの目に留まる事も多いかもしれません。
また最近は特にダイエットやヘルシー食ブームで自然食品の代表格である干し芋が人気となっており、各メディアで取り上げられる事も増えてきています。
今まで「干し芋はあまり食べたことが無いけど興味がある」という方も多いのではないでしょうか?
この記事を読んで、干し芋初心者を卒業しましょう!
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干し芋とは?概要解説
干し芋とはなにか?まず端的な言葉で表すと「さつま芋を蒸して乾燥させた食品」という事になります。
簡単な言葉15文字で説明が出来ると思いきや、実は非常に奥が深い食べ物なので、以降もう少し詳しくご説明します。
干し芋は全国で作られていますが、原料となるさつま芋の原産地はメキシコを中心とする熱帯アメリカである為、北海道や東北など日本の寒い地域では数が少ない傾向にあります。
正式名は「甘藷蒸切干(かんしょむしきりぼし)」と言い、「甘藷」とは漢名で「さつまいも」を表す言葉です。さつま芋は1,600年頃に中国から沖縄へと伝えられ、当時は「甘藷(かんしょ)」や「唐芋(からいも)」と呼ばれていました。
干し芋の形や大きさなどは様々ですが、メジャーな「平干し」という干し芋は長さが約15cm~20cmほどで厚みが1~2cmほどのものが主流です。
ただ最近は、薄切りにせずさつま芋を丸いまま干した「丸干し」や角棒状にカットして干したスティックタイプの干し芋も増えています。
さつま芋を蒸して干しただけ、の食品で基本的に添加物等の入っていない自然食品として知られ、さつま芋本来の甘みと適度な硬さのある歯ごたえが特徴です。
また栄養素も優れており、カリウムを筆頭にビタミンB1やビタミンC、食物繊維が多く含まれており、整腸作用があるとされています。
近年では食品は血糖値の上昇を穏やかにする「低GI食品」としても注目されており、筋トレやダイエットに取り組む方からの注目度が高いです。
製法自体はシンプルですが、各工程で人の手を要するものが多く、機械化が難しい為、ポテトチップスや他のお菓子類と比較して高価になる傾向があります。
干し芋の歴史
干し芋の発祥地は静岡県の中西部にある「御前崎」と言われており、1766年に大澤権右衛門が薩摩の御用船を助けた事をきっかけにさつま芋の栽培方法がこの地に伝わり、1824年に栗林庄蔵が煮切干での製造に成功したと伝えられています。
今でも御前崎には「いもじいさんの碑」があり、海福寺では芋じいさんの功績を称える法要が行われています。
干し芋の作り方・製法
まずは干し芋の基礎知識として、干し芋の作り方を確認していきましょう。
1.さつま芋の栽培
先ずは干し芋の原料となるさつま芋を栽培する必要があります。
一言で「さつま芋の栽培」というと簡単に聞こえますが、非常に多くの事を考え、時間と労力の掛かる事です。
春頃~初夏(4月~5月頃)にさつま芋の苗(蔓ツル)を植えますが、その前の2月・3月から畑作りや蔓の準備をする必要があります。
その後にも草取り・水やり・害虫害獣対策・肥料やりなど、とにかく時間と手間が掛かります。この辺の詳細は以下記事でご紹介しています。
最近は集中豪雨などの天災が特に増えてきており、水害も心配のタネとなっており、またさつま芋は温度が高いほど生育は良いですが、35℃以上では生育が減退するなど、温暖化の影響も心配しています。
1年間の約半分をさつま芋の生育に要しますので、干し芋農家にとって最もウエイトの大きい部分の1つですね。もちろんさつま芋の出来如何で、干し芋の味に大きな影響を与えます。
2.さつま芋を一定期間保存(寝かせる)
秋に収穫したさつま芋をそのまま直ぐに干し芋へ加工する事はほとんどありません。というのも、さつま芋は収穫後、一定期間保存する(寝かせる)事で甘みが増す作物だからです。
一般的に野菜や果物などは「採れたてが新鮮で一番美味しい」と思われがちですが、さつま芋に関しては収穫後、時間を置いた方が美味しさが増し、キュアリングという方法が取られる事も多いです。
キュアリング貯蔵とは
収穫後、土がついたままのサツマイモを35℃、湿度95%以上の環境に約50時間置くことで、 皮下組織にコルク層ができ、収穫時についた傷を自然治癒(キュア)します。
これをキュアリング処理といい、病原菌などの侵入を防ぎ最適な水分やおいしさを閉じ込めます。その後一気に12℃まで温度を下げ湿度85%で貯蔵することで、最高の状態を長期間維持。それが「キュアリング貯蔵」です。一部抜粋:株式会社ユナイテッド
どんな場所で、どの程度寝かせるかは各製造者によって異なりますが、干し芋作りにおいてこの過程は、さつま芋の旨味や甘みを引き出す上で非常に重要な工程の1つと言えるでしょう。
3.さつま芋を加工(蒸す・皮むき・切る)
寝かせた後は、実際にさつま芋を干し芋に加工する工程です。
さつま芋を蒸し窯などに入れて蒸すのが一般的ですが、最近は「焼き芋の干し芋」なども登場しており、その場合は蒸さずに焼き芋にする工程となります。
さつま芋にはでんぷんが含まれていますが、このでんぷんが糖に変化する事でより強い甘みを感じます。糖に変わるとき酵素は60℃~80℃ほどの温度で良く働くので、このくらいの温度で最低30分程度は蒸すと、より美味しく出来上がります。
蒸した後は「ヘラ」(粘土細工などで使うような物と同様な物です)などを用いてさつま芋の皮を剥きます。
手作業で1つずつ皮を剥いていきます。自動皮むき器なども開発されているようですが、さつま芋の表面は凸凹が多い為、現状では人の手の方が完成度が高いそうです。
皮を剥いた後は細くカットしていきます。カットする道具としてこのような「干し芋スライサー」が活躍します。
細くカットされた「平干し」タイプの干し芋が主流である一方、最近メディア等で紹介される事も増えている「丸干し」は、細くカットせずに、さつま芋を丸ごと干しているため、このようなカット工程はありません。
工程が1つ減りますが、その後の干す工程に時間が掛かる為、大量生産は難しいのが現状です。やや小ぶりのさつま芋が丸干しに適しています。
4.さつま芋を干す
干す工程にも様々な方法があります。大手の製造業者さんでは衛生管理されたクリーンルームで食品乾燥機を使用して乾燥させる事も多いですが、個人農家さんなどではハウス内などに設置された干し棚で天日干し乾燥させるケースが多いです。
機械乾燥の場合は「数時間~1日程度」で乾燥できますが、天日干しの場合は「数日~1週間程度」の晴天日が必要になります。
天日干しにこだわる生産者さんも未だ多く、大手業者さんでも最終工程は天日干しで乾燥させる、というケースも多いです。
冷風乾燥機や遠赤外線乾燥機など技術が発達しても、天然の太陽の光を浴びて仕上がった干し芋は風味が全く異なってきます。
天日干しの場合はもちろん天候の影響を受けますし、乾燥させるまで時間は掛かりますが、少しづつ水分が抜ける事でさつま芋の旨味や甘みがより凝縮されます。
5.干し芋を袋に入れてパッケージする
乾燥させた後は、最終工程の袋詰め・パッケージングです。この工程も計量器で分量を確認しながら人の手で袋詰めしていきます。
生産者のこだわりや個性を出せるように工夫しており、最近ではお洒落なパッケージの干し芋商品も増えてきたと思います。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、干し芋作りの殆どの工程は手作業で行う事になります。機械化や自動化も進められていますが、なかなか革新的な効率化が出来ていないのが現状です。
干し芋の産地
干し芋の産地に関して、茨城県で生産が盛んな事は皆さんご存知かと思います。
具体的な生産高に関する統計資料等はないようですが、「ほしいも百科事典」さんのサイトに2005年頃のデータが掲載されていましたのでご紹介します。
一部抜粋:ほしいも百科事典
またもう1つの資料として、平成19年度版の農水省データもTVで紹介されていました。
一部抜粋:鹿行のやさしい野菜
昨今の干し芋ブームで茨城県を中心に近年は幾分生産量が増えていると推測されますが、各県のシェアはそれほど変わっていないと思われます。
1.茨城
干し芋生産の9割を占めると言われている茨城県です。
1908年に静岡から茨城県那珂湊へ製法が伝わったとされ、導入経過は諸説あるようですが、一説には煎餅屋の湯浅藤七という人物が導入し、宮崎利七が静岡からの技術支援を受けて、那珂湊の水産干物加工設備を流用して企業化した、とされる説が有力だそうです。
その後、原料のサツマイモに適した土壌だったことや、冬の乾燥した気候が生産に適していたことから茨城県での生産量が増加し、1955年には茨城県が総生産量で首位となっています。
現在でも干し芋の大部分を生産しているのが、ひたちなか市、東海村、那珂市の3市で、3市の農政課などを中心に構成される「ほしいも協議会」という組織があり、毎年開催される「干し芋品評会」などが近年注目されており、TV番組「マツコの知らない世界」などでもその様子が放送されていました。
干し芋を語る上で外せない生産地、それが茨城県です。
2.静岡
干し芋の発祥地であり、我が「銀篭園」のある静岡県です。干し芋の生産高としては全国2位ですが、1位の茨城県とは10倍ほどの開きがあります。
1824年に栗林庄蔵が煮切干での製造に成功し、1892年頃には静岡県の大庭林蔵と稲垣甚七が蒸切干の製法を実用化しています。
干し芋が誕生した経緯やその後の広まりに関してはこちらの記事にまとめています。
生産量は少ないですが、今でも昔ながらの方法で干し芋作りを行っている農家や生産者の方々がいらっしゃいます。
3.三重
意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、干し芋生産の第3位は三重県です。
後述しますが、三重県の伊勢志摩地方では干し芋という名称よりは「きんこ・きんこ芋」という通称で呼ばれている事が多いです。
全国的に珍しいさつま芋の品種「隼人芋」を原料とした干し芋の呼び名で、漁師や海女のスタミナ源として愛され、志摩地方で親しまれてきたそうです。
真珠養殖が盛んな地域らしく、アコヤガイの貝殻を粉砕して肥料に混ぜるなど地域の特色が表れています。
昨年2019年にはTV番組『満天☆青空レストラン』でも紹介されていました。
3.九州(長崎/鹿児島)
干し芋生産の第4位長崎県・第5位鹿児島県と続きます。
ちなみにさつま芋の国内発祥地であり栽培の歴史が長い「鹿児島県」はさつま芋自体の栽培は盛んですが、その多くは「焼酎」用途で栽培されています。
生産者自体の数は多くないかもしれませんが、大規模に法人規模で生産をされているケースも多く、全国のスーパーやコンビニ等でも購入できるケースが多いように感じます。
自然豊かな地域ですし、特に西日本産など産地にこだわる方には特におススメだと思います。
4.番外編 中国産
日本国外で干し芋の産地として有名なのが中国です。
コンビニエンスストアを中心に比較的安価な干し芋は中国産であるケースが多いです。前述の通り、干し芋の加工には人手が掛かりますが、中国産はその価格メリットが大きいく、国産の1/4程度の価格と言われています。
2004年には輸入量が1万トンを超えていたと言われていますが、2017年は約半数ほどの4000トンほどと推計されています。
コンビニなどで身近で手軽に、低価格で購入できる干し芋として人気があります。
干し芋の呼び方(地域別)
前述の通り、三重県の伊勢志摩地方では干し芋という名称よりは「きんこ・きんこ芋」という名前で呼ばれている事が多く、干し芋は各地域によってその呼び方・名称が異なる事でも知られています。
ざっと調べただけでも以下の通り、千差万別の呼び名があります。
芋切干し・切干し |
静岡
|
乾燥芋 |
茨城
|
かんころ | 長崎・五島地方・岡山・瀬戸内沿岸 |
ひがしやま | 高知・山口 |
きんこ・きんこ芋 | 三重 |
こっぱ | 鹿児島 |
ゆで干し | 香川・徳島・奈良 |
参考文献:西日本の甘藷の切干しの呼称と分布状況
中には「ひがしやま」などのように、芋はどこ行った??と思ってしまうような個性的な名称もあります。
「ひがしやま」の名前の由来・語源は以下のような2説があるそうです。
- 干してかちかちにするという意味の古い土佐弁「ひがちばる」より
- 山でとれる干菓子で「干菓子山(ひがしやま)」より
各地域の方言や生活習慣と深く結びついている伝統食品である干し芋ならではのバリエーションと言えるでしょう。
干し芋の種類・分別
続いて干し芋にはどのような種類があるのか見ていきましょう。現在、数多くの干し芋商品が販売されており、分類の方法にも様々考えられますが、ここでは原料となる「さつま芋の品種」による分類と「干し芋の形状」による分類の2つの視点でご紹介します。
1.原料の「さつまいも」の品種による分類
さつま芋の種類による分類です、現在品種として正式に登録されている品種だけでも紅あずま、紅こまち、紅赤(べにあか)、安納紅、安納こがね、紅はるか、シルクスイート、金時など60種類ほどがあります。
その中でも干し芋として主流な品種が以下「紅はるか」と「玉豊」です。
紅はるか |
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玉豊 |
|
最近主流のネットリ・しっとり系干し芋の代表格「紅はるか」は濃厚な甘味と糖度の高さが特徴で、この品種が近年の干し芋ブームの立役者と言えるでしょう。
一方「玉豊」は40年以上前から干しいも用に生産され続け、干し芋=玉豊といっても過言ではないほどの定番品種で、昔ながらの適度な甘さと深い味わいが特徴です。
この他にも近年人気急上昇の「シルクスイート」をはじめ、鮮やかな紫色が特徴的な「パープルスイートロード」やオレンジ色の「ハロウィンスイート」など、食感や美味しさはもちろん、目にも鮮やかな品種が登場しています。
2.形状による分類
品種による分類の次は干し芋の「形・形状」による分類です。
現時点で最もメジャーである干し芋の形状はさつま芋を平べったくカットして干した「平干し」と呼ばれる形状です。薄くカットする事で干す時間を短縮できると共に、中までしっかりと乾燥できる合理的な形状です。
その他にも皮を剥いたさつま芋をカットせずそのまま干した「丸干し」も近年人気となっており、さつま芋の旨味を丸ごと味わえると共にモッチリとした歯ごたえが特徴です。
続いて「角切り」にカットされた干し芋も見かけますが、これは中国産の干し芋に多い傾向があります。また円形にカットされた干し芋など、希少な物もあります。
平干し |
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丸干し |
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角切り |
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円形 |
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干し芋の食べ方・レシピ
そのまま食べるのが基本である干し芋ですが、一手間加えても美味しいのが干し芋の特徴です。
1.温める(レンジ/ストーブ)
レンジで温めたりストーブで軽く炙ってから食べると、お芋の甘みをより感じて美味しくなると言われています。
実際、温めて食べる方法を推奨している(パッケージに記載している)干し芋の商品もあり、干し芋の食べ方としてド定番の方法の1つとして知られています。
Twitterなど、各種SNSでも干し芋の美味しい食べ方として多数投稿されていますが、こちらはさらに「巻く」という工夫が凝らされています。
最近お気に入
りの干し芋の食べ方(o^^o)
アツアツで、カリッと香ばしくて、もちっと柔らかくて美味しい。 pic.twitter.com/Cf6Lhi2f9F— 辻本京子(KOKKO)粘土工房 KOKKO Garden (@KOKKO15) February 3, 2018
厚みが出る事で歯ごたえも良さそうです。
2.他の食品と組み合わせて
シンプルにそのまま食べても美味しい干し芋ですが、他の食べ物と一緒に食べても美味しさが増します。
個人的に好きな食べ方は「クラッカー」と「とろけるチーズ」を使い、「干し芋ピザ」風にして頂く方法です。
『クラッカーon干し芋🍠onとろけるチーズ🧀』
クラッカーの塩味と干し芋の甘味をチーズが包み込む🙀
簡単で至福の10秒チャージ💪 pic.twitter.com/FETHVmfSYc
— ぎんろー🍠銀篭園 静岡ブロガー農家 (@Ginro_Farm) February 10, 2019
クラッカーの適度な塩加減とチーズの組み合わせが、干し芋の甘みをより引き出す好相性です。
他にも各SNSでは皆さん様々な工夫を凝らした干し芋の食べ方をされています。干し芋と胡桃のローストなどはTwitterで人気になっていました。
干し芋と胡桃のロースト。干し芋の一番好きな食べ方。恋人のお母さんに教えてもらってからどハマり。干し芋は一口大・クルミはふたつに割り、オリーブオイルで中火で炒める。香りだってきたら塩胡椒をして完成。芋がねっちりして、クルミが香ばしくて本当に美味しい。素朴なのに。干し芋は今回は安納芋 pic.twitter.com/ybzIf0dcKO
— おりえ🍲 (@orie13a) February 25, 2017
他にも干し芋との食べ合わせ(飲み合わせ)としておススメなのが、こちらも静岡県特産の「お茶」です。茶カテキンと干し芋の食物繊維の相乗効果で腸活に最適で、ダイエット効果も期待できる、まさにゴールデンコンビです。
3.その他アレンジ
個人的にぜひご紹介させて頂きたいのが、静岡でユニバーサル農業として干し芋作りをされている「干しいもと風」さんの干し芋アレンジメニューの数々です。
例えばこちらは「うさこのヤキモチ」という、干し芋を型抜きして仕上げられた作品。ここまでくるとアレンジメニューというよりは芸術の域ですね!
この他にもお洒落過ぎる干し芋メニューの数々をInstagramで紹介されているので、インスタ映えする干し芋の美味しい食べ方を探している方には是非一度チェックして頂きたいです。
さらにディープな干し芋アレンジメニューの世界をご覧いただけます。
干し芋の成分・健康効果
伝統食品である干し芋はヘルシーな健康食品というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
更に近年では低GI食品としてボディメイクを目指している方やダイエッターの方々からの注目度が高い食品となっています。
ここでは干し芋の成分と、干し芋の健康効果についてご紹介します。
まずこちらの成分比較表をご覧ください。さつま芋・蒸かし芋・焼き芋・干し芋の各100g当たりの栄養素です。
一部抜粋:茨城を食べよう
基本的にさつま芋から水分を飛ばして作るものが干し芋なので、同じ100g当たりの各成分は全体的に増加しています。さつま芋の旨味や栄養が濃縮されたものが干し芋である、と言えますし、蒸かし芋や焼き芋などと比較しても優れた加工方法と言えるでしょう。
また特に特筆すべきは「食物繊維」と「カリウム」「カルシウム」「リン」「マグネシウム」のミネラル類が群を抜いて多く含まれている点です。
ミネラル(カリウム・カルシウム・リン・マグネシウム)・食物繊維の効果/働き
カリウム |
塩分の排出促進・血圧を下げる・むくみ解消・便秘改善・ストレス改善・ダイエット効果
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カルシウム |
骨や歯の主要な構成成分・神経興奮の抑制
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リン | カルシウムやマグネシウムと結合し、骨や歯を形成・骨や歯を丈夫にする |
マグネシウム | カルシウムの吸収を助ける・カルシウムやリンとともに骨を構成する成分・酵素の働きを助ける |
食物繊維 | 整腸効果(便秘予防)・血糖値上昇の抑制・生活習慣病予防(糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化) |
日本人は総じてカルシウム不足と言われておりますし、リンやマグネシウムは骨の構成要素となっています。またカリウムや食物繊維は便秘の予防や改善に役立ちますし、血圧や血糖値を下げるなど、生活習慣病の予防やむくみ解消、ダイエット効果も期待されています。
こうして干し芋に多く含まれている成分を見ていくと、総じて便秘やダイエット、骨を強くする効果など、特に女性にとって嬉しい成分が多く含まれていると言えそうです。
干し芋の価格・買える場所・時期
ここまで来ると干し芋の奥深さや魅力、健康効果に期待して食べてみたいと思った方も多いのではないでしょうか。
では実際干し芋を購入するに際して気になるポイントである以下3点について確認していきましょう。
- 干し芋の価格
- 干し芋を買える場所
- 干し芋の時期(シーズン)
これらのデータは以下記事で記載している、都内でも有数の干し芋販売スポットである茨城県のアンテナショップ「イバラキセンス」や皆さんの身近にあるコンビニエンスストア各社の干し芋購入データに基づいて記載しています。
干し芋の価格
品種や形状も様々で、産地も国産から外国産(主に中国産)まで様々なバリエーションがある干し芋ですが、価格も各メーカーによって様々です。
また一般的に、干し芋は高級品であるイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。詳しくはこちらの記事で解説していますが、例えば「ポテトチップス」などと異なり、オートメーション化された工場での省力化・大量生産が難しいと言われている為、とにかく人手や手間が掛かる為、コストが高くなってしまいます。
価格面で考えると、高頻度で食べたい場合は少しでも低価格だと嬉しいと思いますが、国産で更に天日干しや無農薬栽培など、こだわって生産された干し芋はより高価になってしまいます。
先ずは自分がこだわりたいポイント、例えば・・『とにかく毎日食べたい・コスパ重視!』とか『赤ちゃんのおやつに安全でヘルシーな干し芋が良い!』など目的を明確にしておくと選びやすいと思います。
予算別の購入場所や価格帯を一覧にすると以下の表の様になります。(あくまで価格帯は1袋当たりの目安です。)
安 ⇔ 価格 ⇔ 高 | ||||
購入場所 | 100均ショップ |
コンビニ
スーパー
|
高級スーパー
|
イバラキセンス
(専門店)
|
価格帯 | ¥100 | ¥200~¥600 | ¥400~¥900 | ¥600~¥1500 |
産地 | 中国産のみ | 中国産中心 | 国産中心 | 国産 |
商品例 |
最も安価で干し芋を購入できるのは100均ショップで、ダイソーさんなどでは複数種類の干し芋商品が販売されています。産地は殆どが中国産です。
続いて比較的安価に購入できるのがコンビニです。店舗数も多く、最も身近に手軽に購入できる場所と言えるでしょう。価格も¥200~¥600程度と比較的安価で、産地は中国産が多いですが、近年では一部国産の干し芋を販売しているコンビニもあります。
その他にもスーパーなどでも販売されており、数百円程度の中国産から¥1000近い価格の商品まで、各顧客層に応じて幅広くラインナップされています。特に成城石井など、一般的に「高級スーパー」として知られているスーパーでは国産の質の高い商品も販売されています。
最後に「イバラキセンス」など、国産の干し芋を専門的に取り扱っている店舗では生産方法やパッケージなど、様々なこだわりが随所に感じられる個性豊かな干し芋が販売されており、その中には1袋¥1000を超えてくるような高級干し芋も存在します。
このように価格帯も様々な干し芋ですが、皆さんの予算やニーズに合わせて選ぶ楽しみがあるとも言えるでしょう。
干し芋を買える場所
①実店舗
前述の一覧表にも記載させて頂いた通り、実店舗で一般的に干し芋を購入できる場所は以下の3ヶ所が基本であると思います。
- スーパー
- コンビニ
- 専門店(イバラキセンス他)
この他にも干し芋産地(茨城や静岡など)の農産物直売所などでも販売されているシーンを見掛けますし、静岡の場合はお土産物屋さんなどで販売されている事もありました。
②インターネット
全国各地にある各生産者さんこわだりの干し芋をインターネットで購入する事が出来ます。その中心はやはり『楽天市場』や『アマゾン』などが中心になるかと思いますが、フリマアプリの『メルカリ』などでも自慢の干し芋を出品されている生産者さんも数多くいらっしゃるので、こちらもチェックしてみると良いでしょう。
干し芋の時期(シーズン)
一般的に干し芋の製造時期は初冬(11月頃)~春(4月頃)が中心になります。
秋に収穫したさつま芋は気温の低下と共に糖化が進み、どんどん美味しくなるのが初冬の時期で、静岡県西部では『遠州のからっ風』が吹き始め、干し芋の製造に適した季節となります。
ですので、その年に採れたさつま芋を使用した干し芋を食べたい場合は11月下旬~12月頃がおススメと言えますし、この時期から各店舗の店頭に干し芋商品が並び始めます。
注意点として、あまり早い時期(例えば10月など)に販売されている干し芋は昨年収穫したさつま芋を製造・加工したものである可能性もあります。期間を置いて熟成された干し芋も非常に美味しい為、好みが分かれる所ではありますが、この点には留意しておく必要があります。
また「イバラキセンス」の店員さんに伺った所、「イバラキセンス」では通年通して干し芋は販売されているようですが、やはり干し芋最盛期とも言える冬の季節は特に種類が充実しているそうです。
結論としては初物の出荷が始まる12月~春先4月辺りまでが最もおススメな季節と言えるでしょう。
干し芋の保存方法
干し芋を購入する際、ついつい買いすぎてしまうケースのあるでしょうし、折角ならずっと美味しい状態を保って食べたいものです。
元々は「保存食」として作られた干し芋は一般的な食品と比べて保存性に優れていますが、近年の柔らかしっとり系干し芋のブームにより、乾燥期間を短くして水分を残している商品が多い為、保存可能期間が短くなってきている傾向があります。
約50種類ほどの干し芋商品を購入して検証した所、賞味期限の平均値は約2ヵ月となっていました。
賞味期限内に食べきる事はもちろんですが、少しでも長持ちさせて美味しい状態を保ちたい場合は特に以下4点に注意して保存する事をおススメします。
- 湿気
- 温度(直射日光・エアコン)
- 密閉(ホコリ対策・酸化防止)
- 個包装・小分けに
上記4点を守った具体的な保存方法、カビさせない、腐らせない方法に関してはコチラの記事で詳しく解説しています。
また、干し芋を食べる際、ふとこんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
干し芋の表面に付着した白い粉の正体は干し芋の糖分『麦芽糖(マルトース)』が表面に結晶化したものですので、そのまま美味しく頂く事が出来ます。
しかしその他にも干し芋に黒っぽい部分があったり、一見しただけでは分かりにくいカビが存在する事も事実です。
こちらの記事では干し芋のカビの見分け方を実例を交えてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
まとめ
こちらの記事では干し芋に関する知っておきたい基本知識10選をご紹介しました。
干し芋の歴史や作り方、栄養成分など意外と知られていない事も多いのではないでしょうか。
気になった情報がありましたら、ぜひ各情報の詳細記事と併せてご覧ください。
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